
ピアノ整調
鍵盤とアクションの動きを整え、演奏者のタッチや表現に正確に答えられるように調整していく。
アクションと呼ばれる打弦機構がピアノ内部にあり、これは鍵盤を押すことによりハンマーが弦をたたく仕組みになっています。鍵盤を押してハンマーが弦を打つまでの動き、力の伝わり方をそろえることを整調といい、タッチ感に直接関係のある作業です。
アクション・鍵盤部品は主に木材でできており、可動部の支点になる部分には金属ピン、それらの回り摩擦が生じる部分にはクロスやスキン、動きの反動によりクッションの必要な部分にはフェルトがたくさん使われています。
湿度や温度の変化により、木部品のゆがみや止めネジの緩みが生じたり、演奏の頻度によりクロス・スキンの摩擦、経年変化、部品自体の重さによりフェルトやクロスがへこみ整調のずれが生じます。
タッチの調整をする上で、鍵盤の深さや調整する寸法が少しずつ異なります。
アップライトとグランドピアノの違いはもちろん、様々なピアノメーカー(ヤマハ・カワイ・スタインウェイ・ベーゼンドルファー・ベビシュタインなど)のそれぞれが持つ個性や資質、設置されている環境に合わせた調整を初め、様々な状態のピアノにきめ細かく対応することを心がけています。
アップライトピアノ整調料金 | 拾い整調 | ¥3,000 |
---|---|---|
全体整調 | ¥10,000 | |
タッチ変更 | ¥10,000 | |
鍵盤鉛整調 | ¥30,000 |
グランドピアノ整調料金 | 拾い整調 | ¥5,000 |
---|---|---|
全体整調 | ¥15,000 | |
タッチ変更 | ¥15000 | |
鍵盤鉛整調 | ¥35,000 |

ヤマハ

カワイ

スタンウェイ

ベーゼンドルフィー

ベヒシュタイン
整調 アップライトピアノ
1.ネジ締め

主に部品番号
- 12 バットプレートスクリュー
- 26 バットフレンジスクリュー
- 39 ダンパーフレンジスクリュー
- 73 ウィペンフレンジスクリュー
の、4種のネジ、約320個をゆるみの無いよう増し締めする
2.鍵盤整調

部品番号
- 83 バランスキーピン
- 93 オーバルキーピン
の2つと鍵盤との関係を調整する。鍵盤がスムーズに動き、かつガタつきの無いようにする
3.直線調べ

センターレールの直線を調べ、ハンマーレールクロスの劣化を調べる。
劣化してデコボコになっている場合、新品に交換して直線を出す
4.打弦距離

ハンマーヘッドの先端と打弦点との距離を測定し、46〜48mmになるように調整する
5.ハンマー間隔、弦合わせ

ハンマー左右の間隔と、弦のハンマーへの当たりが均一になるように調整する。
6.ウィペン間隔合わせ

部品番号68 ジャックと、番号10 バットの関係を考えながら、ウィペンの間隔をそろえる。
7.から直し

8.キャプスタンボタン調整

左右調整

前後調整

高さ調整
- アクション部品番号78 キャプスタンボタンの調整
- 鍵盤の動きをアクションに伝える部品
- 高さ、前後、左右を均等に調整する
- ウィペンヒールの前後左右を真ん中あたりに合わせる
9.鍵盤ならし

定規で高さをチェックする

ペーパーパンチングの出し入れ
鍵盤の下、部品番号 92 フロントペーパーパンチングの厚さ、枚数を調整し、高さを均一にそろえる
10.鍵盤間隔直し

部品番号 93 オーバルキーピンを曲げ、鍵盤の間隔を均等にそろえる
11.キャプスタン高さ調整(再度調整)

12.バックチェック調整

部品番号 20 キャッチャーに合わせ、部品番号 65 バックチェックの左右をそろえる
13.ブライドルワイヤー調整

同時に、部品番号 67 ブライドルワイヤーの左右をバックチェックに接触しないよう均等にそろえる
14.鍵盤あがき

鍵盤の深さ調整
部品番号 92 フロントペーパーパンチングを出し入れし、鍵盤の沈む深さを調整する
15.ハンマー接近

部品番号 55 レギュレチングスクリューの調整
鍵盤の動きがアクションに伝わり、その力がハンマー接弦直前に抜けるようにタイミングを調整する
16.働き調整

各部品の運動量のバランスを揃える
17.ハンマーストップ

部品番号 66 バックチェックワイヤーの前後を調整することで、ハンマーの運動量をそろえる。
18.ジャックストップレール調整

19.ダンパー総上げ

部品番号 27〜32 ダンパーアッセンブリーの調整
ワイヤーの前後を調整し、ダンパーの上がり量をそろえる
20.スプーン掛け


部品番号 74 ダンパースプーンの前後調整
ダンパーの上がるタイミングをそろえる
21.ダンパーストップレール調整

22.ペダルの調整

蝶ネジを回し、ペダルの運動量をそろえる。
23.ブライドルワイヤー前後調整

ブライドルワイヤーを前後に曲げて、直線にそろえる。
24.全検査

全体の音を出し、タッチにバラつきがないか、調整にズレがないかチェックしながらバランスをみる